「空間認識力」という言葉を聞いたことはありますか?
幼児教育や小学校受験、算数の学習などで耳にすることが増えてきた言葉ですが、
「そもそも空間認識力って何?」
「どうやって育てればいいの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、私たちが日常生活の中で何気なく行っている「物の位置や形を把握する」「頭の中で向きを変えて考える」といったことにも、空間認識力が関係しています。
そして、幼児期に空間認識力を育てる遊びのひとつが、積み木遊びです。
積み木は、ただ高く積み上げるだけのおもちゃではありません。
「どう置いたら崩れないかな?」
「この形を横から見たらどうなるかな?」
「この積み木を回転させたら、どんな向きになるかな?」
と考えながら遊ぶことで、自然と空間について考える機会が生まれます。
今回は、空間認識力とは何か、積み木遊びとどのような関係があるのか、そして小学校受験や算数の学習にどうつながっていくのかをわかりやすくご紹介します。
空間認識力とは?
空間認識力とは、簡単にいうと、
「物の形や大きさ、位置、向き、距離などを頭の中でイメージする力」
のことです。
例えば、次のような場面を考えてみましょう。
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箱の中にどのように物を入れれば収まるか考える
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地図を見て目的地までの方向を考える
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駐車するときに車と周囲の位置関係を把握する
-
家具を置いたときの部屋の様子をイメージする
-
立体的な図形を見て、反対側の形を想像する
これらには、空間認識に関わる力が必要です。
子どもにとっても、
「この積み木をここに置いたらどうなる?」
「上から見たらどんな形?」
「この形を反対向きにしたらどうなる?」
といった遊びは、空間について考える経験になります。
空間認識力にはどんな力が含まれる?
「空間認識力」と一言でいっても、いくつかの異なる力が関係しています。
例えば、
① 位置関係を理解する力
「上」「下」「前」「後ろ」「右」「左」など、物の位置関係を把握する力です。
② 形を捉える力
「これは三角形」「これは立方体」というように、物の形や特徴を理解する力です。
③ 大きさや距離を比較する力
「こっちのほうが大きい」
「あと少しで届きそう」
など、物の大きさや距離を捉える力です。
④ 頭の中でイメージする力
実際には見えていない部分や、向きを変えたときの形を想像する力です。
⑤ 立体を組み立てる力
複数のパーツを組み合わせて、全体の形をイメージする力です。
積み木遊びには、こうした力を使う場面がたくさんあります。
なぜ積み木で空間認識力が育つの?
積み木遊びの大きな特徴は、実際に手を動かしながら立体を扱えることです。
例えば、積み木を3個重ねてみるだけでも、
「まっすぐ置かないと倒れる」
「大きい積み木を下にしたほうが安定する」
「少しずらすとバランスが変わる」
といったことを、子ども自身が体験できます。
これは、単に図や説明を見るだけではなく、実物を操作しながら空間を理解する経験です。ピタッとはまるブロック遊びとはまた違った面白さがあります。
さらに、作品が大きくなってくると、
「ここに置いたら入らない」
「この形を作るには、あと何個必要かな?」
「反対側も同じように作るにはどうしたらいい?」
など、より複雑な思考が必要になります。
積み木遊びで空間認識力を育てる5つの遊び
① 高く積んでみる
まずはシンプルに、積み木を高く積んでみましょう。
「何個積めるかな?」
と競争してみるのもおすすめです。
ただし、単に数を競うだけではありません。
高くなるにつれて、
「どうしたら倒れない?」
「下にはどんな積み木を置けばいい?」
と考えるようになります。
これは、物の大きさや位置、バランスなどを考える経験になります。
② 同じ形を作ってみる
大人が積み木で簡単な作品を作り、
「同じものを作ってみよう!」
と挑戦してもらいます。
何でもいいので(なんでもいいって一番困りますよね。)真似してもらう作品を作ります。

子どもは、
「この積み木はどこに置いてある?」
「何個使っている?」
「向きはこっちで合っている?」
と、見本と自分の作品を比較しながら作ります。
慣れてきたら、少し複雑な作品にも挑戦してみましょう。
③ 上から見たらどうなる?
少し難易度を上げるなら、「見る方向」を変えてみましょう。
例えば積み木で、

のような作品を作ります。
そして、
「上から見たら、どんな形に見えるかな?」
と聞いてみます。
実際に上から見て確認してもいいでしょう。
ちなみに先ほどの積み木を上から見ると、こんな形に見えます。

最初から頭の中だけで正解する必要はありません。
「横から見る」「上から見る」と視点を変える経験そのものが大切です。
④ 積み木の中身を想像する
さらに挑戦してみたいのが、見えない部分を想像する遊びです。
積み木を使って立体的な作品を作ります。箱のような作品だと分かりやすいかも知れませんね。
そして、
「この後ろには何個積み木があると思う?」
「中にも積み木が入っているかな?」
と聞いてみましょう。
実際には見えていない部分を想像することで、立体を頭の中で捉える経験につながります。
⑤ 言葉の説明だけで「同じもの」を作ってみる
親子でそれぞれ作品を作り、
「同じ形を作れるかな?」
と挑戦してみるのもおすすめです。
ただし、②で紹介したような、相手の作品を直接見るのではなく、
「一番下には四角い積み木が3個あるよ」
「その上に三角の積み木が2個あるよ」
など、言葉だけで説明してみます。
聞いた側は、その説明をもとに作品を作ります。
完成したら、
「どこが同じ?」
「どこが違う?」
と比べてみましょう。
空間認識だけでなく、言葉で位置や形を説明する力も育む遊びです。
最初はシンプルな作品から始めてみましょう。
小学校受験と空間認識力
空間認識力は、小学校受験で扱われる問題にも関係しています。
例えば、
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図形の構成
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積み木の数
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立体の位置関係
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図形の回転
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鏡映像
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重なり
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位置の移動
-
見え方の変化
などです。
特に、積み木を使った問題では、
「積み木がいくつあるか」
「見えていない部分には何個あるか」
「上から見るとどう見えるか」
といった、立体を頭の中でイメージする力が必要になることがあります。
もちろん、小学校受験対策として問題を解く練習も大切です。
しかし、その前段階として、
実際に積み木を触り、動かし、いろいろな方向から見る経験
を積んでおくことは、立体を理解する土台になります。
算数にもつながる積み木遊び
空間認識力は、図形だけに関係するものではありません。
算数では、
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数
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量
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大きさ
-
長さ
-
図形
-
位置
-
分割
-
組み合わせ
など、さまざまな概念を扱います。
積み木を使って、
「積み木を5個使ったら、あと何個残っている?」
「同じ高さにするには何個必要?」
「この形は積み木何個分?」
といった遊びをすれば、数や量について考えることもできます。
例えば、4個の積み木を横に並べたとき、
「これと同じ長さを作るには、何個必要かな?」
と問いかけてみる。
すると子どもは、実際に積み木を並べたり比べたりしながら答えを探します。
こうした**「手を動かして考える経験」**が、後の算数の学びにつながっていきます。
「図形が苦手」になる前に、遊びの中で立体に触れよう
小学校に入ると、算数の授業で三角形や四角形、立方体、直方体など、さまざまな図形を学びます。
そのときに、
「図形は難しい」
と感じる子もいるかもしれません。
幼児期から積み木などで立体に触れていると、
「この形、積み木で見たことがある!」
「これを回したらこうなる!」
というように、実体験と学習内容を結びつけやすくなります。
もちろん、積み木で遊んでいれば必ず算数が得意になる、ということではありません。
大切なのは、遊びの中で「形」「数」「位置」「大きさ」について考える経験を積み重ねることです。
「上手に作る」ことより「どう考えたか」を大切に
積み木遊びでは、完成した作品の見た目に目が向きがちです。
「すごい!」
「高いね!」
「上手にできたね!」
と褒めることももちろん大切です。
でも、時には作品そのものより、
「どうしてここに置いたの?」
「どうやって考えたの?」
「最初はどうしようと思ったの?」
と、作る過程について聞いてみるのもおすすめです。
例えば、途中で作品が崩れてしまったとしても、
「失敗しちゃったね」
ではなく、
「どうして崩れたと思う?」
「次はどうしてみようか?」
と聞いてみる。
すると、失敗も「考える材料」に変わります。
まとめ|積み木は「空間を考える」経験ができる遊び
空間認識力とは、物の形や位置、大きさ、向きなどを捉えたり、頭の中でイメージしたりする力です。
そして積み木遊びには、
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積む
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並べる
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組み合わせる
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比べる
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回転させる
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見る方向を変える
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見えない部分を想像する
など、空間について考える場面がたくさんあります。
さらに、こうした経験は、小学校受験で出題される図形や積み木の問題、そして小学校以降の算数で学ぶ図形や数量の理解にもつながっていきます。
ただし、幼児期の積み木遊びで大切なのは、問題を解けるようにすることではありません。
「どうしたらできるかな?」と考えることを楽しむこと。
「もっと高くしてみよう」
「こっちから見たらどうなるかな?」
「同じ形を作れるかな?」
そんな小さな疑問を親子で楽しみながら、積み木に触れてみてください。
一つひとつ積み重ねる遊びの中に、子どもが「考える」ためのたくさんの経験が詰まっています。